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家は檻。〜実父の異常な愛〜
第3章 半透明の優等生
こよみは、宿題を思い出していた。「親への感謝」「お父さんは、自分のことをどう思っているか」。

――私、愛されてるんだ。これは、愛なんだ。
そう思おうとした。そう、信じようとした。

でも。
なんで、こんなにも痛くて、苦しくて、悲しいのだろう。

こよみは、嗚咽のような声を漏らし続けた。
孝幸は、その様子を見てさらに深く腰を打ちつける。
追い詰められるように、呼吸が荒くなる。限界が近いのだろう。

「……ぐっ、出すぞ、こよみ……」

背後から、荒い声が耳元に降りかかる。
孝幸はこよみの身体を抱き寄せ、そのまま深く沈み込んだ。

ぐっ、と喉を詰まらせるように声を噛み殺しながら、果てる。
ぎゅるる、と腹の奥を満たしていく熱が、こよみの内側へと沁みていく。

しばらくの沈黙のあと、孝幸がゆっくりと腰を引いた。
直後、熱を含んだなまぬるい粘液が、こよみの奥からどろりと零れ落ちる。

こよみは、ベッドに突っ伏したまま動けずにいた。
息はまだ浅く、細い身体の輪郭がかすかに上下している。
腰を浮かせた不自然な姿勢のまま、まるで糸の切れた人形のように伸びている。

孝幸は何も言わず、ただそっとこよみの髪を撫でると、静かに立ち上がった。
ドアの取っ手に手をかけ、音を立てないように扉を引く。
そのまま、こよみの部屋を後にした。

扉が閉まる音は、あまりに静かで、まるで何もなかったかのようだった。
部屋に戻った静寂の中、こよみはただ、崩れたままの姿勢でうずくまっていた。
何も考えられずに、時だけが過ぎていった。
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