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いまやめないで このままでいて
第3章  第3話  あなた色を決して忘れない

〝ごめんなさい、このLINEまだつながっているでしょうか? 文彦〟

 1年前に別れたはずの今井文彦から唯花のスマホに突然のLINEが届いたのは、2か月後に名古屋の本社へ戻らなければならなくなっていた7月の終わりのことだった。

 ちょうど潤一と愛し合ったあと、彼が帰り支度をしていた時の着信で、その発信者と短いメッセージを思わず見てしまった唯花は一瞬顔色が変わるのを必死でこらえた。

「大丈夫?」

「ううん、実家の母からだからあとで返事する」

 とっさにそう言ってごまかすのが精いっぱいだった。



 もともと3年の予定の海外勤務にプロジェクトの計画変更が発生したため一旦帰国することになったというのが、マイナス2時間の時差があるベトナムのハノイにいる文彦からのLINEだった。

 そしてそこには、もう一度会いたい、と記されていたのである。

 忘れきれずにいた文彦の連絡先は削除できずにいたのだった。

 いつものように玄関先でキスを交わし、閉じられたブラインドのスラットを指で少し開きながら小さく手を振って、駅へ向かって歩いていく潤一を見送ってから唯花はうろたえた。

(どうしよう… どうしたらいいの…)

 実際のところ、海外転勤などなければ文彦と別れたくなかった唯花はその夜、ほとんど眠ることができなかった。
 
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