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初恋を奪った皇太子は、私を逃がさない
第1章 運命の舞踏会

(……よかった)
ただ、それだけの言葉なのに。
胸の奥に、じんわりと温かいものが広がっていく。
たった数分のワルツだったけれど、私にとっては夢のような時間だった。
少しの間だけでも、皇太子殿下の相手を務めることができた──
それだけで、今日という日は、忘れられない日になる。
「本当に、ありがとうございました」
もう一度お辞儀をしようとした、その時だった。
「──庭園に行かない?」
ぽつりと、まるで自然な会話の延長のように、彼はそう言った。
「……え?」
思わず聞き返してしまう。
でも、彼は冗談のように笑ったり、断る隙を与えるような雰囲気ではなかった。
「少し、外の空気を吸いたくて。君も、どう?」
その瞳が、まっすぐに私を見ている。
ただ、それだけの言葉なのに。
胸の奥に、じんわりと温かいものが広がっていく。
たった数分のワルツだったけれど、私にとっては夢のような時間だった。
少しの間だけでも、皇太子殿下の相手を務めることができた──
それだけで、今日という日は、忘れられない日になる。
「本当に、ありがとうございました」
もう一度お辞儀をしようとした、その時だった。
「──庭園に行かない?」
ぽつりと、まるで自然な会話の延長のように、彼はそう言った。
「……え?」
思わず聞き返してしまう。
でも、彼は冗談のように笑ったり、断る隙を与えるような雰囲気ではなかった。
「少し、外の空気を吸いたくて。君も、どう?」
その瞳が、まっすぐに私を見ている。

