この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
初恋を奪った皇太子は、私を逃がさない
第1章 運命の舞踏会

それに──誰とも目を合わせればいいというものでもない。
私は公爵令嬢。
相手も、せめて伯爵家以上。できれば公爵家の御子息でなければ、身分が釣り合わない。
そうでなければ、お父様に顔向けできない。
(難しいわ……)
私がそんなことを考えていると、少し離れた場所で誰かが声を上げた。
「あら、アレクシス殿下だわ」
ざわ、と空気が動く。
周囲の視線が一斉にホールの入り口へ向けられる。
私も、つられるように顔を上げた。
そこに現れたのは──
金糸のように美しい髪を持つ、漆黒の礼服に身を包んだ青年。
(……本当に、いらっしゃるのね)
あまりにも完璧で、まるで絵画から抜け出したようだった。
光の差し込むホールの中で、彼だけが異質に見えるほど。
私は公爵令嬢。
相手も、せめて伯爵家以上。できれば公爵家の御子息でなければ、身分が釣り合わない。
そうでなければ、お父様に顔向けできない。
(難しいわ……)
私がそんなことを考えていると、少し離れた場所で誰かが声を上げた。
「あら、アレクシス殿下だわ」
ざわ、と空気が動く。
周囲の視線が一斉にホールの入り口へ向けられる。
私も、つられるように顔を上げた。
そこに現れたのは──
金糸のように美しい髪を持つ、漆黒の礼服に身を包んだ青年。
(……本当に、いらっしゃるのね)
あまりにも完璧で、まるで絵画から抜け出したようだった。
光の差し込むホールの中で、彼だけが異質に見えるほど。

