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第2章 禁断の庭園

（……ああ）

その言葉で、私は悟った。

──もう、私は“結婚できない”。

この夜を境に、私は誰のものにもなれない。
誰にも、嫁ぐことなんてできない。

涙が、一筋、頬を伝った。

「……ううっ……」

心が、締めつけられる。
恐怖も、羞恥も、後悔も、すべてがいっしょくたになって押し寄せてきた。

その涙を、アレクシス殿下の指がそっと拭った。

「可哀そうに。痛いのか？」

その声は意外なほど優しくて、思わずまた泣きそうになる。
でも──彼の動きは止まらなかった。

私の中にいるまま、彼はゆっくりと、でも確実に、私を抱きしめるように動いていた。

「……もう……誰とも……結婚できない……」