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第2章 禁断の庭園

「そうだ。君は……俺以外の男と結婚できない」

アレクシス殿下の瞳が、静かに、でもどこか哀しげに揺れていた。

その瞳が、私のすべてを責めてくるように見えて──胸が締めつけられた。

「……俺だけのものだ」

低く囁かれたその声に、心が震えた。

奥の奥まで、彼に支配されていく感覚。

言葉も、思考も、すべてが奪われていく。

「でも……あなたは、皇太子殿下で……」

身分が違う。
生きる世界が違う。
いくら今夜を交わしても、それが現実になるわけじゃない。

私は、咄嗟に腕で顔を覆った。

「身分が……違います……！」

涙のような声が漏れた瞬間──

「違くない！」

怒鳴るような声とともに、彼の動きが急に激しくなった。

「俺はもう、リディアのものだ！」