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僕の母さん
第8章 体をひとつに…

「あの…この文字って…」

「あっ!つい、いつものクセで書いちゃった!
私さぁ、オムライスが大好きだから、いつも『大好き』って書いているの」

「なあ~んだ…僕はてっきり愛の告白かなあ~、なんて期待しちゃったよ」

「こんな細工をしなくても、好きな人にはちゃんと告白するわよ」

そう言うと、彩也香はスプーンを置いて、達郎の目をじっと見つめて「達郎くん…大好きよ」と早口で告白すると、テーブルに身を乗り出して達郎の唇にチュッとキスをした。

女の子から「好きよ」と告白されたことのない達郎には免疫がなく、『まじっ?』と呆然としてしまった。

「あらやだ、ケチャップが付いちゃったわ」

そう言って達郎の唇に付いたケチャップを人差し指で拭うと、
それを美味しそうにペロリと舐めた。
それはまるで『男の子なんでしょ?私を襲いなさいな』と無言の圧力を達郎にかけていた。

お皿の上には食べかけのオムライスが残っているけれど、
すでに食事をする気分ではなく、今度は達郎が身を乗り出して彩也香の唇を奪った。

「…お風呂…一緒に入るわよね?」

まるで彩也香は温泉旅行の続きをしない?と達郎にモーションをかけていた。

「いいね、洗いっこしようか?」

女性の体を洗う事なら、母から何度もレクチャーを受けているので、お手のものであった。

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