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僕の母さん
第15章 それぞれの秋
二学期の期末試験を前にして
達郎と真弓の母子は学校に呼び出された。
達郎が何か問題を起こしたわけではない。
いや、この場合、学校側としては一大事なのだろうか。
達郎の成績が落ちてきたのだ。
「ご覧のように成績表を見ていただいてわかると思うんですが、成績がダウンし始めているんです」
「はあ…でも、学年トップは譲らずにキープしているようですわ」
「わが校の順位としてはトップの成績です
しかし、T大付属高校の推薦入学枠を得るためには、学年順位とは別に、ある一定の基準をクリアしなくては、わが校としても達郎くんの背中を押してあげるわけにはいかんのですよ」
学校側としても、なんとか、T大付属高校への入学生を輩出したくて達郎に発破をかけてくる。
「やっぱり紗耶香ちゃんの家庭教師をしているのが問題じゃないのかしら?」
帰宅後、真弓は紗耶香の部屋に度々訪れることが成績ダウンの要因だと、一人っきりの勉強時間に戻した方がいいと提案した。
「それは関係ないよ、紗耶香の部屋に行ってもちゃんと予習復習をしているんだから」
達郎としては紗耶香も、その母である佐智子ともセックスできる今の生活リズムを崩したくなかった。
「それに、T大付属高校に行くだけが全てじゃないんだし、生活レベルから考えても公立校に行ったって頑張ればいい大学に進学することだってあり得るんだから」
「でも…」
公立校でもいいのであれば、真弓が愛人契約までして学費を積み立てているのが無駄になる。
その日、学校では別のクラスでも紗耶香母子の進路指導が行われていた。
「いやぁ~、紗耶香さんの学力向上には私どもも驚いているんですよ」
達郎とセックスに明け暮れても、家庭教師をしてもらっている効果は如実に成績となって現れていた。
しかしながら、今までが不甲斐ない成績だったからこそ、ようやく平均的な成績に盛り返してきただけなのだが…
「じゃあ先生、私、T大付属高校に行けますか?」
「受験するのは君の自由だけど、先生は胸を張って合格できるよなんて言えないな
まあ、今の成績ならごく平凡な公立高校が関の山だな」
紗耶香は現実を突きつけられて愕然とした。

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