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僕の母さん
第5章 サマーバケーション

真夏の太陽が容赦なく照りつける。

こうも暑いとスポーツジムで汗を流そうという人も少なく、
真弓のヨガ教室はもちろん、佐智子のエアロビクスだって閑古鳥が鳴いていた。

「こうも暇だと、私たちのような契約インストラクターは、真っ先にクビになるんじゃないかしら…」

これといって専門的な資格もなく、
ただ体を動かすことしか能のない佐智子は真剣に悩んでいた。

「それよか、あんたさあ、どこか体の具合でも悪いの?」

メイクで誤魔化しているけれど、
ファンデーションを洗い流せば、くっきりと目の下にクマが出来ていた。

目の下のクマの原因…
それは達郎の執拗なアタックであった。
夜な夜な、真弓の寝室にやって来ては狭いシングルベッドに潜り込んできて、勃起した未成熟なペニスをお尻の谷間に押し付けてくる。

「ダメ…一度だけっていう約束だったでしょ」

真弓にしたって、息子のペニスを挿入したくてたまらない。
けれども、一度だけという約束を交わしたのは自分からなのだから、かたくなに達郎の誘いを拒んだ。

幼い頃から息子の達郎には約束事は守らなければいけないと教えてきた。
それが真弓の教育方針だったからだ。
なのに、自ら約束事を反古(ほご)にしてしまうことは、根底から覆してしまうことになるので、心を鬼にして誘いを断った。

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