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僕の母さん
第5章 サマーバケーション

「じゃあ…おっぱいだけ…
ね、それならいいでしょ?」

そう言って達郎の手が背後から前に回って真弓の胸を愛撫した。
おっぱいだけなら許してあげるのだが、達郎は眠りに落ちても、その手だけはまるで意思を持った別の生命体のように彼が眠りに落ちても手だけがむにゅむにゅと胸を揉むものだから真弓はムラムラしてきて眠りに落ちることが出来ない。

なので、真弓は慢性的な不眠症のような感じで疲労が蓄積されつつあった。

「真弓、あんた、もしかして息子さんの教育について悩んでるんじゃない?」

佐智子にしても思春期を迎えつつある娘の教育に悩んでいたから、てっきり真弓にしても子育ての悩みなのだろうと勝手に解釈した。

まあ、性教育にしても教育の一環に違いないのだから、真弓は曖昧に「まあね…」と答えた。

「やっぱりね、うちは娘だから、それなりに子供の事は理解できるけど、あんたのとこは男の子だもんね。
やっぱり男の子ってのは考えがわかんないから悩むでしょうね」

佐智子は勝手に訳知り顔でウンウンと頷いた。

「そうだ!気晴らしに旅行に行かない?」

佐知子が妙案を思い付いたとばかりに手をパンと打ち鳴らした。

「旅行?」

「ジムも明後日から三日間のお盆休みになるから、その期間を利用して旅行に行きましょうよ」

「今からじゃ宿なんて取れないわよ」

「寂れた温泉旅館なら案外と空室があるものよ」

私、探してみるわね。

真弓が旅行に行くとも行かないとも返事をしていないのに、
佐智子はすっかりその気で旅行サイトを調べ始めた。
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