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第5章 真相を知らば

ほんの一瞬…って言って相違ない間だったんだ


さほど驚きもしなければ

動揺もしなかった


ただひとつの悪条件を除けばね



さすがに予想出来なかった条件が重なっただけでさ




『マコト…？』



レストランに戻ると
席に彼女の姿はなかった




彼女を野放しにして良いと思ってもいなければ

かと言って…疑ってもいない



一般社会から無理矢理に隔離して

それなりに洗脳に等しい事もしてきたさ

それはもう全て…緻密に…時間をかけて



それでも、完全に安心も出来なければ

一般社会の景色に一瞬たりとも戻せば

こういう事になるリスクがある

そんな事は承知で彼女を連れてきたのだけどね



だから、特段驚きもしなければ

焦りなんかはなかった


そうなるとは思っていなくとも


不足の事態があっても良いようにはしてあるから



それら全ては

何よりは


彼女に…危害がなければ良いだけの事だから