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新人警察官の拘束体験研修
第2章 第二部 前章 口枷
拘束具担当の女性講師が参加者全員に声を掛けた。

「いい…?口の中に詰め物をされて塞がれた時は…仰向け厳禁だからね…唾液が口の中で詰まって…窒息するから…」

講師の言葉を聞いた数名が、すぐに体を動かしていた。

今は参加者全員が口枷をされ、適度な間隔を置いて、道場の畳の上に転がっていた。気が付けば9.1m四方の赤枠内、その半分を占めていた。

女性講師はもう1人助手を伴って、参加者たちを巡回していた。助手の女性が段ボール2つを持ち、講師の後ろを歩いていた。

警察学校の男性講師を除いて、この道場には参加者12名、特別講師4名がいて、研修参加者は圧倒的に数的優位のはずだった。だが自らアイマスクを付け、畳に正座をし、1人があっさりと身柄を拘束された状況では、参加者は何も手出しできなくなってしまった。そして体験研修とはいえ、参加者全員が女性講師の掌握下に入ってしまった。
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