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第5章 第三部　後編　水面（みなも）の波紋

このコスチュームは美帆がデザインし、業者を自ら探し、製作してもらった衣装だった。彼女にとって全身拘束をされた時のイメージが、クモの巣に捕らえられたような気分になるということから、デザインされていた。

里奈は美帆の手首の拘束を解き、後ろ腕からポロシャツとブラを抜き取っていた。うつ伏せになる美帆を目の前にし、里奈は彼女に体を寄せていく。腰にまとまっていた衣装を伸ばし、美帆のお腹を包み、手を伸ばしていた。美帆の背中にそっとキスをし、音を彼女に聞かせ、「ンッ…」と彼女の腰が揺れ、里奈は片方ずつ美帆の手を取り、タイトな生地に袖を通していく。

左右の肩がしっかりと覆われ、美帆は「ハッ…」と身悶え、肩の力が抜けていった。

「この感触…肌触り…忘れてないよね…？」

里奈は体を寄せ、耳元で囁いていた。そして指先は美帆の指に伸び、タイトな生地がしっかりと手袋のように、指１本１本丹念に緩みがないか、フェザータッチを繰り返していた。

里奈は開かれた美帆の背中を、魔性の魅力に封をするように腰のあたりから首元まで、ゆっくりとファスナーを上げていった。