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妻女王様さくら
第1章 キャバクラごっこ

結婚して三か月。
金曜の夜、武藤達郎は紙袋を抱えて帰宅した。
「ただいま」
「おかえり、遅かったね」
キッチンから顔を出した妻・さくらは、淡いピンクのカーディガンに白いエプロン姿。
湯気の立つ鍋を片手でかき混ぜる、その横顔は相変わらず可憐で、結婚前よりも柔らかい表情を見せるようになった。
達郎は紙袋をテーブルに置く。
「……これ、さくらに」
袋から取り出されたのは、淡いブルーのミニドレス。
胸元は控えめだが、肩や脚が大胆に露出するデザイン。光沢のある生地が照明を受けてきらめく。
「え……これ、キャバ嬢さんが着るやつじゃない?」
「うん。接待で行った店の子が着てて、すごく綺麗だったんだ。さくらなら、もっと似合うと思って」
さくらは一瞬黙り、ドレスを指先でなぞった。
「ふーん……じゃあ、着てあげようか?」
数分後。
寝室のドアが開き、ヒールの音が静かに響く。
「……どう?」
髪を高くまとめ、後れ毛が頬にかかっている。
肩から脚までのラインがはっきり出て、普段の清楚な妻とは別人のようだ。
達郎は、喉が鳴る音をごまかせなかった。
「……き、綺麗だ」
「いらっしゃいませ〜、武藤さん」
ふざけた口調。けれど、その目にはほんのりとした挑発の色が混じっていた。
二人はソファに腰を下ろし、ワイングラスを手に向かい合う。
「今日はお仕事、どうでした?」
「……うん、まあまあ。君の笑顔を見たら全部吹き飛んだ」
笑うさくら。その横顔を見つめるうちに、達郎の胸の奥で何かが芽生える。
もっと見たい。もっとこの姿を独占したい。
その感情は、まだ名前のない熱として静かに広がっていった。
金曜の夜、武藤達郎は紙袋を抱えて帰宅した。
「ただいま」
「おかえり、遅かったね」
キッチンから顔を出した妻・さくらは、淡いピンクのカーディガンに白いエプロン姿。
湯気の立つ鍋を片手でかき混ぜる、その横顔は相変わらず可憐で、結婚前よりも柔らかい表情を見せるようになった。
達郎は紙袋をテーブルに置く。
「……これ、さくらに」
袋から取り出されたのは、淡いブルーのミニドレス。
胸元は控えめだが、肩や脚が大胆に露出するデザイン。光沢のある生地が照明を受けてきらめく。
「え……これ、キャバ嬢さんが着るやつじゃない?」
「うん。接待で行った店の子が着てて、すごく綺麗だったんだ。さくらなら、もっと似合うと思って」
さくらは一瞬黙り、ドレスを指先でなぞった。
「ふーん……じゃあ、着てあげようか?」
数分後。
寝室のドアが開き、ヒールの音が静かに響く。
「……どう?」
髪を高くまとめ、後れ毛が頬にかかっている。
肩から脚までのラインがはっきり出て、普段の清楚な妻とは別人のようだ。
達郎は、喉が鳴る音をごまかせなかった。
「……き、綺麗だ」
「いらっしゃいませ〜、武藤さん」
ふざけた口調。けれど、その目にはほんのりとした挑発の色が混じっていた。
二人はソファに腰を下ろし、ワイングラスを手に向かい合う。
「今日はお仕事、どうでした?」
「……うん、まあまあ。君の笑顔を見たら全部吹き飛んだ」
笑うさくら。その横顔を見つめるうちに、達郎の胸の奥で何かが芽生える。
もっと見たい。もっとこの姿を独占したい。
その感情は、まだ名前のない熱として静かに広がっていった。

