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久美子
第5章 再会と別れ

「秀樹さん!」

「なんで〜?なんでいるの? なんで〜、わ〜ん!」

久美子の目から大粒の涙が溢れる。


「・・・久美子さん、探したんだよ。・・・会いたかったよ。・・・」


久美子の痩せた手を握り、手の甲を撫でる。

「うれしい、うれしいよう!・・・ホントは私も会いたかったのぉ〜・・・秀樹さん!」

手を摩りながら自分も何度も頷く.涙が止まらない。

「ひっく!ひっく!・・も、もう会えないと思ってたの。・・だってあんな風に消えちゃって・・・ごめんなさい!・・ひっく!」

案内してくれた女性は察したのか、スッと部屋から出て行った。
俺は久美子の顔に近づい、キスをし頬擦りした。

「久美子・・・会えて良かったよ。・・・ホントに良かった」

「私の体・・こんなになっちゃった・・・もう、秀樹さんを受け入れてあげられないなぁ〜、ふふ」
「そんな事ないさ、元気になればまた相手が出来るよ。」

久美子は被りを振る。

「判るでしょう?・・・もう、判ってるの。・・・ダメだって・・」
「そんな事言うなよ!まだ・・」
「いいの、酷い人生かと思ったのに、旦那に救われたし、最期は秀樹さんにも・・・」

俺は頷くだけで、声が出ない。

しばらく、取り止めのない話をしていた。少しだが、久美子の顔に赤みがさした。

「・・・最期にお願いしていい?・・・」
「何?」
「私のここ、触って欲しいな・・・ちょっとでいいからいい気持ちにさせて欲しいの。」

俺は入院着の合わせ目から手を入れてみる。大人のオムツを潜り、茂みを触る。もう骨と皮の様な状態だ。
それでも俺は割れ目から突起を探してそこをゆっくりと撫でる。

「あぁ、秀樹さん・・・気持ちいいです。とっても。・・愛してる。・・・」
「俺も愛してるよ、久美子・・・」
「あぁ、・・・ずっとこれが続くといいなぁ・・・」

目をつぶって、2、3度頷く久美子、ふぅと少しため息をついた様見えた。
突然、機械の警告音が鳴り始め、医師と看護師、介助員が入って来た。


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