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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第13章 危険な罠、ふたつの欲望の前にただ狂い咲く……。
◆
「賭、け?」
須藤さんはいったい何を言っているんだろう。
ただでさえ、唯斗さんとの肉体関係を指摘されて動揺しているのに、その後の話も理解できるはずもない。
あまりにも急な内容に、頭が追いつかない。
あたしはそのまま繰り返し訊ねた。
「そ、賭け。今から森野に電話で俺が澪ちゃんとデートしていることを話す。森野が俺の前に姿を現せば澪ちゃんの勝ち」
「もし叔父さんが来なかったら――?」
「俺の勝ち。ねぇ、俺と付き合ってよ。こう見えて澪ちゃんのこと、結構本気よ? 澪ちゃんみたいな真っ直ぐな娘、俺すっげぇタイプなんだ。出逢ってまだ短い時間しか経ってないけど、こうして今日ふたりきりで会話して、楽しいと思った。年の差はあるけど、言っちゃえば障害なんてそれくらいだし。森野と澪ちゃんの関係の方がよっぽど危険だよね?」
「――っつ!」
須藤さんの真剣な眼差しがあたしを射抜く。
きっとあたしを好きになってくれたのは本当だと思う。
だけど……。
あたしは唯斗さんがいい。
唯斗さんじゃなきゃダメなんだ。
叔父と姪が肉体関係を持つのは間違っているし、そもそも恋愛感情すら持ってはいけないことも判ってる。
だけど、あたしにはこの恋を諦める術が見つからない。
諦められないんだ。
ぎゅっと握り締めたTシャツの裾が皺くちゃになっている。
さらに力いっぱい握り締める。

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