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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第6章 もう間違いなく両想いでしょ!

「うちら若いから、肉体的にムラムラしたんじゃない? 男なんて所詮、恋愛感情より性欲だよ?」

「ちがうもん! 唯斗さんはそんな人じゃない!」
 そうだよ、唯斗さんはずっとずっと中学校に上がった時からお仕事が大変なのにも関わらず帰りが遅くなるあたしを迎えに来てくれた。
 高校になる時も同じで――。
 そんな優しい唯斗さんが、セフレを探していたとか、そんなのないもん!!
 絶対!

「でもさ、唯斗さんがあんたの言う、まんまの性格とルックスなら、女の人が放って置かないと思うけどな。社内恋愛とかありそうじゃん?」

「そ、それは……」
「唯斗さんが手を出せないくらい大切にしたい女性(ひと)がいたとして、あんたはその人の代わりに抱かれた可能性もあるんじゃない? だって、あんたが処女だって向こうはなんとなく判っていたんでしょう? それで中出しって――うちら一応20歳で成人にはなっているし大学生だけどさ、37歳の向こうからしたら、まだまだ子供じゃん? 澪のこと、軽く見てるんじゃない?」
「そんな、こと……」
「ないって言い切れる?」

「――っつ」

 ズキン。
 胸が痛む。
 さっきまでの楽しい気持ちが一変した。
 明実に電話しなきゃ良かった。
 そうしたら、悲しい想像をしなくて済んだのに……。

 明美はいつもそう。
 的確な意見を率直に述べてくれる。
 それが為になる時と、そうじゃない時がある。


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