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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第6章 もう間違いなく両想いでしょ!
今は、まだその現実に直面したくはなかった。
逃げたい。
そんな気持ちが通じたのか、携帯がバイブした。
通知を見ると、そこには唯斗さんの文字がある。
「あ、唯斗さんから電話だ。切るね!」
「ちょっと、あんたそういう関係止めなよ? 唯斗さんに話しな?」
明美の助言を、「はいはい」と受け流し、電話を唯斗さんに切り替えた。
都合の悪いことは聞かないなんて、随分勝手だと思う。
でも、ごめん。
今のあたしにはまだそのことを受け止められる勇気はないんだ……。
「突然ごめんね、澪ちゃん。今大丈夫?」
「うん、大丈夫。どうしたの?」
なんだか唯斗さん、慌ててる。
何かあったんだろうか。
「実は資料を忘れてしまったんだ。仕事部屋にあるパソコンデスクの上にUSBメモリーはないかな? 見てもらえる?」
「え、あ。はい」
言われてあたしは1階のお仕事部屋へ向かった。
「えっと……」
唯斗さんのお仕事部屋はリビングの隣にあって、とっても重要なお仕事でない限り、部屋のドアを開けたまま、パソコンとにらめっこしながらキーボードを叩いているんだ。
その姿はキッチンでお料理をするあたしからバッチリ見えるわけで――。
なんだか安心しながらお料理を作るのが日課になっているんだ。
とはいえ、こっちから見えるっていうことは唯斗さんからもあたしの状況が見えるわけで、見られていると思うとドキドキもするけれど。

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