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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第6章 もう間違いなく両想いでしょ!

 そんな唯斗さんの周りは、なんだか騒がしい?
 近くに2、3人いるのかな?
 数人の男の人の声が聞こえた。

「やっほ、澪ちゃん。叔父さんがやらかしちゃって、本当ごめんね」
 知らない男の人の声だ。
 声音からしてすごく軽そうな感じ。
 張りがあって、ちょっと高め。

「えっ……と」
 誰だろう?
 どうしてあたしの名前を知っているんだろう。
「あ、俺、森野の同僚で同期の須藤(すどう)よろしくね。澪ちゃんのことはこいつからよく聞いてるよ? すっごく可愛い姪っ子がいて夏休みの間、森野の家にいるんだって? 料理も上手いし、頼んでもないのに家事全般やってくれてる健気な娘だって、澪ちゃんの事、こいついっつもべた褒めよ!」
「えっ?」
 トクン。
 突然の会話に胸が高鳴る。
 唯斗さん、あたしのことをそんなふうに会社の人に話しているの?
 すごく嬉しい。
「いえ、あたしはただ、お世話になっているならせめてお家のことくらいはって――」
「謙遜謙遜。そういうとこも可愛いね!」

「おい、ちょっと! 余計なことを言うなよ!」
 唯斗さんの慌てる声が聞こえた。
「いいじゃん、別にほんとのことだし。澪ちゃんも褒められて嬉しいっしょ。ね~?」
「あ、はい。ありがとうございます」
 あたしが素直にお礼を言うと、須藤さんから、「可愛い」とまた褒めてもらえた。

「しっかし、澪ちゃんがいなかったらどうなってたんだよ俺らのチーム。午後からのプレゼン、危うくできないところだったんだぞ?」
 次に聞こえてきたのは少し低音のきいた、また違う男の人の声。
「だよな? 澪ちゃんはマジ救世主! 女神様! あ、今のは片桐(かたぎり)。こいつも俺らと同期。同じチームなんだ。」


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