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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第6章 もう間違いなく両想いでしょ!

 須藤さんが、うんうんとしきりに頷いてから、新らしく聞こえた男の人の名前を紹介してくれた。
「普段しっかり者のお前が――こういう凡ミスをするとは珍しいな」
 片桐さんがそう言った。
 えっと、片桐さんはチームの中でお兄さん的存在っぽい感じ、かな?
 同じ年齢なのに不思議。
 みんな個性的でそれぞれが違う。
 特に須藤さんなんてあたしたち大学生の雰囲気に近い話し方だし。
 30歳過ぎた大人だからって、あんまり変わりないのかなって思ってしまう。

「だから、ごめんって……」
 須藤さんと片桐さんに半ば投げやりに謝る唯斗さんが可愛く見えてしまう。

 男の人同士の会話が聞こえてきて、なんだかすごく和む。
 同期同士の会話って、こんな感じなんだ……。
 唯斗さんはあたしと話しをする時はすごく優しい声音だけど、同性だと少し乱暴な言い回しで、こういうふうに話すんだ。

 思わずクスクス笑ってしまった。
「その笑い方も可愛い!」
 またもや須藤さんに褒められる。
 須藤さん。
 なんだか、とても褒め上手な気がする。

 ……うう。
 褒められすぎると顔が熱くなっちゃうよっ。
 顔、見られずにすんで良かった。

「ありがとうございま、す……」
 照れながらもなんとかお礼を言った瞬間――ドスって音が聞こえたけれど、どうしたのかな?

「えっ? あの、どうしっ!」
 とっても鈍い音がしたよ?


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