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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第6章 もう間違いなく両想いでしょ!
「あ、あの?」
転けた?
須藤さん、転けたの?
「大丈夫、ですか?」
「けほっ、いや。平気平気。だけど澪ちゃん、本当にごめんね~」
須藤さんは軽く咳き込みながら話した。
本当に大丈夫だろうか。
「いえっ!」
「ほんと声、可愛い! 本物も絶対可愛いんだろうな。会うのマジ楽しみっ!」
今度は、「おっと!」という声も聞こえた。
なんだか唯斗さんのところは賑やかなようだ。
「須藤……」
恨みがましそうに須藤さんの名前を呼ぶ唯斗さん。
須藤さんたちといるとあたしが知らない新しい唯斗さんの一面が発見できる。
「なんだよ、いきなり手は出さねぇよ。俺たち、ゆっくり接近するんだよ、ね~」
「えっと……」
接近?
どう返していいのか判らずにしどろもどろになってしまうあたし。
そのあたしを助けるためなのか、唯斗さんは、「おい」と制した。
「お前、いい加減にしろよ?」
「いいじゃん、可愛い子と会話するくらいは、さ。ねぇ~?」
「あ、えと。あの……」
「とにかく! 澪ちゃんありがとう。会社のマップと住所、メールで送るね」
半ば強引に電話を切ろうとする唯斗さん。
忙しいののかな。
お仕事だもんね。
そりゃそうだ。
「えっと、あの、わかりました」
「じゃあ、後で」とそこまで話すと、唯斗さんとの通話が切れた。
とにかく!
あたしが役に立つことを唯斗さんに知って貰えれば、もしかしたらこのおかしな関係が無事に解消されるかもしれない。
あたしは立場挽回のため、約束の時間に会社に向かうんだ。
《もう間違いなく両想いでしょ! ・完》

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