この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
魅惑~甘く溺れる心と身体。
第9章 なつめと大根。

 しばらく静かな空間の中にいると、唯斗さんはいつの間に着替えたのか。
 Tシャツにジーンズ姿で下りてきた。

「澪ちゃん、俺は今から少し出かけるけれど、留守番できる?」
「はい、大丈夫です。痛み止めのお薬も飲んだし、このままじっとしていればなんとかなるので。いってらっしゃい」

 ……本当は、朝食も唯斗さんと一緒に過ごしたかったけれど、唯斗さんは今日もお仕事だし、それに、ご飯も作り損ねたし。
 きっとコンビニでご飯を買って来るんだろう。

 あたしはいってらっしゃいを言うと、唯斗さんはひとつ頷いて家を出た。

 ――――。
 ――――――――。


「ただいま、この近くに24時間スーパーがあって助かったよ」
 しばらくして、唯斗さんが真っ白なビニール袋を持って戻って来た。

「調子はどう?」
 訊ねられて、あたしはにっこり笑う。
「少し楽になりました」
 嘘。
 唯斗さんを安心させたくて、つい嘘をついちゃった。
 生理初日はいつも丸1日中鈍い痛みと戦わなきゃいけない。
 だから本当はまだずっと辛かったりする。

「澪ちゃん、嘘はいけないよ、少し待っていて」
「?」
 待つ?
 いったい何をするんだろう?
 キッチンに立った唯斗さん。
 もしかして唯斗さんは自分の朝食の買い出しじゃなくて、あたしの体調に合う食材を買いに行ってくれていたの?
 自分のことをそっちのけで?
 起き抜けでお腹、空いているのに?
「――っつ」
 とくん、とくん。
 あたしの胸が鼓動する。
 胸の鼓動を抑えられないまま、キッチンに立つ唯斗さんを目で追う。
 まな板と包丁を取り出しているのが見えた。
 さすがは唯斗さん、大根の桂剥きもお上手です。
 お料理ができる男の人ってきっとモテるんだろうな……。
 あたしの恋敵、とっても多そうです。


/212ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ