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魅惑~甘く溺れる心と身体。
第10章 ラブラブデートで蕩ける身体。

 ――とはいえ、ワンピースの後ろはほんの少し背中が開いている形状なんだけどね。

「澪ちゃん、準備はできた?」
 ドアをノックされて、あたしはもう一回鏡の前でくるっと回転する。
 うん、いいと思う。
「はい、今行きます」

 リビングであたしを待っていた唯斗さんは相変わらず素敵です。
 茶色のスエードに、インナーは清潔感漂う白のシャツ。下は茶色いスエードと合わせたコーディネートで質感が違うチノパンツ、黒の革靴を合わせるみたい。シンプルなんだけど、それが身体に添っていて、いつもモデル並みのスタイルだけれど、ずっと足が長く見える。すごく格好いい。

「唯斗さん、格好いい!」
「ありがとう、澪ちゃんはいつも可愛いけれど、今日はずっと可愛いね」
 えへへ、褒めて貰っちゃった。
「ありがとうございます!」

 お礼を言うあたしに、唯斗さんは、「行こうか」と言って手を差し出した。
 手を繋ぐなんて、これってとっても恋人同士っぽくない?

 あたしは始終ニマニマが止まらない。

 外に出てショーウィンドウであたしと唯斗さんの雰囲気チェック!
 ついでに風に巻き込まれた髪の毛も直さなきゃ。
 なんてやっていたら――。
「澪ちゃんはそのままでも十分可愛いよ」
 ……なんて、褒めてくれる。

 ……これは不意打ち。
 あたしの顔がトマトみたいに真っ赤になっちゃう。
 顔を見られるのが恥ずかしくて俯けば、旋毛に弾力のある感触とリップ音が聞こえた。

 キスされた!


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