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第1章 戦の後の地獄　村人惣兵衛の話

「おおー、最高だぜ。これだから戦はやめられねえ」
「ああ、勝っちまえばこっちのもんよ。」
その時だった。「きゃあああ」聞き覚えのある声だ。
娘も犯されてしまうのだ。雑兵の一人が言った。
「待て、その娘は生娘のまま人買いに売れば高くつく。傷をつけるな」
「うるせえ、やっちまっても値は変わらねえ」
雑兵たちに地面に押さえつけられ、娘も犯されだした。
「おとおちゃーん、おかあちゃーん、助けてえええ」
2人がかりで娘は犯されている。着物をはぎ取られ裸にされ、一人に腰を打ち付けられ、一人は己の男根を娘の口に入れている。
「生娘はたまらねえぜ。」
1人が娘の体内に欲望を吐き出すと、次の雑兵が娘に襲い掛かる。
娘の顔は虚空を睨んでいた。もう抵抗しても無駄だというのが分かったのだろう。
娘の周りには雑兵が集まりだした。年頃の娘だからか。
「おい、早くしろ」「てめえ、俺が先だ」「こいつは俺の嫁にする」
雑兵たちの言い争いが聞こえる。

女たちは皆同じように犯された。途中で抵抗して切り捨てられた女もいた。
どれくらいの時間が経ったろうか。満足した雑兵たちは若い女だけを縛り上げて、荷車に積みだした。連れ去る気なのだ。
女たちは自分の運命を悟ったのか皆下を向いている。人買いに売れらて遊女になるか、敵の妾にされる者もいるだろう。それか雑兵たちの一時の慰み者としてすぐに捨てられる物もいるだろう。
子供らも縛られて、荷車に乗せられた。奴隷として人買いに売り払う気なのだ。

「お前たち男は我らの領主〇〇様に仕えるのだ。そうすれば田畑は奪わぬ。抵抗すれば殺す」
縄をほどかれ、男たちは地面に顔をつけ泣いた。家族を子供を奪われこれからどう生きるのだ。
数名の女だけが連れ去られず残っていた。妻の姿もあった。
全裸で地面に横たわり、涙を流している。
見るに堪えない姿である。幾人の雑兵たちに弄ばれたのか。娘が連れ去られたのを知っているのか。

ああ、なんとむごいことよ。仏はいないのか。
皆で寺に参っていたのに。
空を見上げると黒い狼煙が城下近くの村から上がっていた。
そこも今頃は敵の手に落ちたのかもしれぬ。