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イケナイアソビ。
第8章 恋して! ウェアウルフ
「あ、あのっ」
自分は男で、斎も当然男だ。開けっ広げに同性を口説くなんてまずは考えられない。智也のこれは果たして本気なのだろうか。
どうにも遊んでいるようにしか見えない宝は、いつも彼の口の軽さに戸惑ってしまう。
「こんな山奥にまで来て、まだそういうことを言っているのかお前は。口説くなら他でやれ。仕事の邪魔だ」
斎の申し出は嬉しいが、何分宝が好きな人は丞だ。
勘違いされても困る。斎の申し出をどうやって断ろうかと慌てていると、丞の冷酷な言葉が耳に入った。
またもや宝の胸はジクジクと痛みはじめる。
「……まったく、素直じゃないんだから」
「何か言ったか?」
「いえいえ、何もございませんわリーダー。丞が煩いから今日の目標達成までとっとと片付けてしまいましょう」
「何か悲鳴が聞こえたけど、大丈夫かい?」
宝が阿佐見と丞のやり取りをいつものように遠巻きで見ていると、また新たな人物が奥から顔を出した。彼は会社のプロジェクトにと丞が人選した、:田牧 桐彦(たまき きりひこ)だ。
彼は目尻が垂れており、眼鏡をかけている彼は見た目どおりのとても気の良さそうな優男だ。
年齢はおそらく四〇そこそこだろう。ベテランで、勤続年数は二〇年も超える。年齢もさることながら、様々な経験もしている彼は丞にとっても頼れる人物である。
会社から言い渡されたプロジェクトは以上の五人で行っている。
人数が少ない分、仲違いもないし伝言も上手く進む。おかげで今のところは当初の計画通り好調だ。
「あ、はい。大丈夫です」
「顔色が悪いね、きちんとご飯は食べているかい?」
気がよさそうな田牧は、宝の父親と同じくらいの年齢だからなのか、どこか自分の父のように思えて何でも話してしまえる。だから彼は宝が小食なのを知っていて、こうして心配してくれるのだ。
自分のことを心配してくれる存在が社内にいるのは宝にとって、とてもありがたいことだ。

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