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イケナイアソビ。
第8章 恋して! ウェアウルフ
(七)
いくらウェアウルフという種族が治癒能力に長けていたとしても、それでも傷口から流れる鮮血を見るのは痛々しいものだ。
あれから宝は阿佐見たちと一緒に丞の屋敷に戻ると、阿佐見と斎は宝が気絶させた田牧を連れて家に戻った。
宝はーーというと、一度帰宅し、家から包帯や解熱鎮痛剤やら一式を持ってふたたび丞の屋敷を訪れた。
狼にこういった鎮痛剤を飲ませてもいいのか迷っていると、どうやら迷う必要もないらしく、人型へと変化した。
傷口が開かないよう、しっかり包帯を巻いたし、これでひとまずは安心だろうか。
ベッドの横のナイトテーブルに固定されている蝋燭の淡い炎が、秋のすきま風に吹かれ、揺れる。
阿佐見と斎曰く、ウェアウルフはかなり視覚が優れていて、遙か山の遠くも見渡せるらしい。それに加えて今日は満月だ。ウェアウルフの魔力は一気に昂ぶり、視覚も今まで以上に研ぎ澄まされているという。
だからだろう。宝がここへ訪れた当初、電気を点けようとした時、丞が点けるなと言ったのはーー。
その彼は今、深い眠りについている。
それでも熱はまだ下がらない。これは満月の日の効果なのかはわからないが、もしかすると傷口にばい菌が入った所為もあるかもしれない。
宝は水が入った洗面器に氷を入れ、タオルに染みこませると、胸元のボタンを緩め、吹き出る汗を拭っていく……。
「……枇々木?」
宝を呼ぶ苦しそうな声がして顔を上げれば、丞の目がうっすらと開いていく。
どうやら彼は目を覚ましたらしい。
「椎名さん、よかった。目が覚め……あっ」
宝が、丞に気分はどうかと訊ねようとした時だ。ふいに身体が反転する。
気がつけば、宝はベッドの上で、丞の腕に捕らわれていた。

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