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銀狼
第2章 禁断の森

彼女の名はセレナといった。
この道を真っ直ぐに戻ると辿り着く、小さな街に住む貴族の女性だ。
国王の住む宮殿は遥か遠く、街の人間は国王の顔も知らなければ名前すらも怪しい者が多い。
そのような隔地にある街の領有を任されているのが他でもないセレナの父──アルフォード侯爵であった。
国王軍、銃士隊のトップでもある彼女の父親は街の統治とともに周辺の警備も兼任し
そんな侯爵は国王に代わる人々の憧れである。
だが、当然のことながら
人望がある分、彼に恨みを持つ輩も少なくはなかったのだ。

