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銀狼
第10章 討伐


雷に撃たれたような衝撃。


「どうして…なの…?」


次の瞬間には──心の壁に大きな風穴が開く。



「お前を解放してやる」

「解放……」


解放ということは見逃してもらえるのか。

街に帰れる──

本当なら、それはとても喜ぶべき事だ。


「…本当、に…?…っ…わたしを解放するの」

「そうだ」

「でもこんな急に…っ」


顔を上げたセレナは興奮したせいで軽い目眩に襲われた。

自分を抱く彼の腕を掴み、体勢を立て直す。


“ わたしは街に、帰るの……!? ”


家に帰れる。

お父様に、街のみんなに会える。


“ もとの生活に……戻れる ”


もとの生活に。今まで通りの、毎日に。




「……っ」




──わたし自身は

こんなに変わっておきながら……!?






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