この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
銀狼
第10章 討伐
雷に撃たれたような衝撃。
「どうして…なの…?」
次の瞬間には──心の壁に大きな風穴が開く。
「お前を解放してやる」
「解放……」
解放ということは見逃してもらえるのか。
街に帰れる──
本当なら、それはとても喜ぶべき事だ。
「…本当、に…?…っ…わたしを解放するの」
「そうだ」
「でもこんな急に…っ」
顔を上げたセレナは興奮したせいで軽い目眩に襲われた。
自分を抱く彼の腕を掴み、体勢を立て直す。
“ わたしは街に、帰るの……!? ”
家に帰れる。
お父様に、街のみんなに会える。
“ もとの生活に……戻れる ”
もとの生活に。今まで通りの、毎日に。
「……っ」
──わたし自身は
こんなに変わっておきながら……!?