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銀狼
第10章 討伐
しかしセレナは受け取ろうとしない。
顔を背けて、俯いた。
「いらないっ…そんなの…渡さないで……!! 」
当然だ。これではまるで形見のよう…。
「……フっ」
そんな彼女にローはほくそ笑む。
「…お前はこれが何かわかるか?」
「何って…!! ペンダントでしょう」
「──…そうでもある」
俯いたまま受け取る気配のないセレナの首に手を回し、彼は紐を結んでしまう。
──彼女の胸元に、ローの宝石が収まった。
セレナが涙をこらえた刹那…それは柔らかく煌めいたように見えた。
ローは静かになった彼女を抱えて地面へと飛び降りる。