この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
銀狼
第11章 儚き運命
「近づかないで!」
青年たちに向けていた震える切っ先は
ゆっくりと…彼女の首にあてがわれた。
「──…ッ」
「行かせてくれないと…この場で死ぬわよ」
セレナの喉元で放たれた鋭利な輝きに、驚愕した二人は凍りついたように動きを止める。
「わたしは剣の素人だけど、自分の喉をかき切るぐらいはできるわ…」
「…お、落ち着けってセレナ様……」
「早く退きなさい」
「……っ」
セレナの異常な行動の、その迫力にただただ圧倒されるばかりだ。
「──…そこを退いて!! 」
彼女に鋭く睨み付けられ二人は背筋に寒気を覚えた。
何故なら、彼女は決して冗談ではない…
その覚悟がひしひしと伝わってくるからだ。
無数のトゲで肌を刺されるように、はっきりと。