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銀狼
第5章 逃走


「まさか…それで抵抗のつもりなのか」


銀狼は怯えるセレナに構うことなく彼女を片腕で担ぎ上げる。


「やぁ!…離して…っ…!! 離して!」

「……五月蝿い娘だ」


脚をばたつかせ暴れてみるも男の力には敵わない。

出口が遠ざかり、抱えられたセレナは逆に奥の方へ運ばれてしまった。



──銀狼が向かう先には、滝、そして湖がある。


「……!? 」


それを見たセレナの顔が益々強張った。



“ ……何?…何をされるの…!? ”



「待って……っ」


「少し、黙れ……」



湖のほとり…

岩場の上に持っていた荷物を落とすと、銀狼は彼女を抱えたままゆっくりと水に身を沈めた。



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