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銀狼
第5章 逃走
「きゃあ!!…ッ…冷たい…」
バシャッ バシャ …ッ
セレナを両腕で抱きかかえ銀狼は湖の中心へと進んでいった。
水に浸かった彼の衣がセレナの身体に纏わり付く。
「…離して!……ケホッ……ハァ…」
「暴れるな鬱陶しい」
抵抗するセレナが水面を叩く度にあがる水飛沫が二人の顔にかかり、水を飲んだセレナは咳き込んでしまう。
──だがその抵抗も、滝壺が近付くにつれて弱くなっていった。
「……っ」
「……フン」
真っ白に泡立ち騒いでいる滝壺。
大人しくなった彼女を馬鹿にするように笑った銀狼が腕の力を弱めると
たまらずセレナは彼の首に手を回す。