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銀狼
第6章 獣の愛
空が少しずつ明るさを失っていく。
銀狼はまた何処かに行ったようだ。
その代わり、出口付近には数頭の狼が見張りのように彷徨いていた。
──逃げる道は断たれている。
緊迫した状況は変わらない中、自分がすべき行動もわからずに、濡れた裸体を腕で庇う。
…セレナの視線は、ふと、銀狼が運んできた荷物の上で止まった。
彼が落としたそれは、布にくるまれたまま岩場に放置してある。
大きな白い織物は街の仕立て屋で見る上質な物だ。
何が入っているのか見当もつかないけれど…
セレナはそっと手を伸ばした。
「……!?…これ…」
中身を見たセレナは声を呑む。
手始めに中から出てきたのはドレスだった。