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第9章 ：お嬢様の痴態が全校生徒にお披露目されて

「彼女、誰かに拉致されたらしい。それでね…ナニを要求されたらしいんだ」
「ナニ…ですか？」
「そう、これは面白いよぉ。これから、全校集会を臨時で開いてさ…。愛菜お嬢ちゃんのオナニー姿を公開するって？」
「な、何のことですか！？」
事態を飲み込めない洋助だが、間もなく全校生徒、そして全職員が講堂に集められた。

「これから映し出す映像に関しては、校外の者への他言を禁ずる」
生徒指導課の女教師、上野の緊張感に満ちた男言葉とともに、ステージ上の巨大スクリーンに映し出された映像に、洋助は息を飲む。
『おじいちゃま…。愛菜は…これから…恥ずかしいことを…させられます…。ごめんなさい…』
物語のプロローグで記した、令嬢にとって耐えがたい痴態を記録した映像が流されたのだ。
騒然とする生徒、そして教職員たち。
「いやらしい娘だよねえ。誘拐されたって話だけれど、おかしな人間と付き合っているから、こんな事件に巻き込まれるんだよ。それとも自作自演かなあ？ まあ、学園長としても犯人から、この映像を流さなければ、愛菜嬢を即、処刑するだなんて言われたら抗えなかったらしいけどねえ」
好奇と、狂喜に満ちた声音で秦野がまたも小声で話しかけてきた。
洋助にも淫靡な気持ちが微塵もないと言えば嘘になった。
何せ、愛くるしい美少女が自慰行為をカメラの前で晒し、その映像が全校生徒の前で公開されるという、世にも淫らな異常事態だ。
しかし、なによりも、ここまでして愛菜の人権を蹂躙しにかかる浜尾の本気度に戦慄する気持ちが勝った――――。