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お嬢様、隷奴悶絶‼ 可憐な乙女は中年童貞に救いを求め…?
第3章 令嬢は使用人にもお優しいようで…
「はッ」
僅か幅10センチの平均台の上で、愛菜は左足を軸にくるりと回転をし、バランスを何とか保とうとする。
レオタードの上からでも、緊張から乳首が屹立している様子がわかるが、無我夢中で演技に励む本人は気が付いていない。
さらにもう一度回転した後、今度は平均台の上を助走し、バク転をしつつ、マットの上に着地した。
が、Y字のポーズを決めようとした瞬間、思わず体勢を崩し、尻もちをついた彼女は苦笑した。
「はあ…上手くいかないなぁ…」
と、ため息をつく仕草も、どこか大人びており、精神的なゆとりを感じさせる。
そんな愛菜に背後から忍び寄る影。
「よぅ、愛菜ちゃん、絶好調だね。目指せオリンピックって感じかい?」
愛菜は一瞬、ビックリした様に瞳を広げ、振り向いたが、その声の主を認めると、少しだけ微笑む。

「もう、宇佐美さん、揶揄わないでくださいよぉ、冗談抜きで我が部の死活問題なんだから」
愛菜は友人や後輩たちに接する態度とはまた異なる、大人への微かな媚びを感じさせる表情と、精神年齢の高さを想像させる言葉遣いで気軽に応じる。
肌も露わなレオタード姿で練習に励む様子を、中年男の用務員に見られることに、嫌悪感を覚える女子は少なくないだろう。
しかし、愛菜はいやな表情一つ見せず、世間話に応じる。
もともと、大人から好かれる術を心得ており、またそれが求められる環境に育っていることも、年長者と自然に対話できる理由だろう。
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