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お嬢様、隷奴悶絶‼ 可憐な乙女は中年童貞に救いを求め…?
第4章 :―――罠―――
二時間後―――。
タンタンと床を踏み鳴らす音に、少女らしい均整の取れた肢体が西日にシルエットを作る。
空が黄昏に染まる頃、それでもなお、床の演技の稽古に精を出すレオタードの美少女愛菜に声がかかる。
「愛菜ちゃん、お迎えが来たよ」
「あら、宇佐美さんまだ残っていらしたの?」
愛菜は、やや疲れの色が見える美貌を可愛らし気に傾げて問うてみる。
「ああ、今日は残業なんだ。…愛菜ちゃん、君のお家の運転手、浜尾さんって言ったかな…お迎えに来ているよ」
「ええ、浜尾さんが? …学校は送迎禁止って伝えてあるんだけどなぁ」
愛菜は成瀬川家が半年前から雇い入れたドライバーの校則破りに、少々困惑した様子だ。
顰めた美少女フェイスもなかなか愛くるしい。

「なんだか急用だっていうので、呼びに来たみたいだけどね。早く行ってみなさい」
宇佐美は、体育館の出入り口を視線で促す。
「はーい、ありがとう、宇佐美さん。でも何かな、急用なんて? …ところで宇佐美さん、今日は残業ですか?」
愛菜はレオタード姿の肢体を出入り口に向けつつ、半身をひるがえすと、宇佐美の方を見て少々不思議そうに問う。時間給制の学校用務員の彼が、日の暮れるまで残業など、普段はありえないことだからだ。
「ああ、そうなんだよ。…とっても大事な“お仕事”だ」
「そうなんですか、なんだろ、大事なお仕事って」
愛菜はくっくと愛らし気に微笑むと、軽く宇佐美に会釈してその場を立ち去る。
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