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略奪貴公子
第13章 目をトジ 声をヒソメテ


「─っ…ふ……ハァ…‥ぁ、ぁ‥‥!」


 一瞬の硬直の後、脱力したレベッカは男の上に寄りかかった。


「…ハァ…っ、ハァ…ハァ…っ…!」


 レベッカが彼にしがみつくと、クロードも同じように抱きしめる腕に力を込める。


 彼女の背は荒い呼吸とともに大きく上下していた。


「──…レベッカ」


「……っ」


 クロードに名を呼ばれ
 ゆっくりと顔を上げたレベッカ


 ──彼女はここで初めて…震えながら目を開けた。


 ずっと閉じていたから視界がぼんやりと安定しない。そんな状態だが、熱と欲情で浮ついた思考が、目の前の彼をどうにか視認しようとする。


 そして…やっと現れた形のいい唇に


「クロード…っ」


 たまらなくなったレベッカは、呼吸も整わぬままに無我夢中で自らの唇を重ねたのだった──。









 ──




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