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略奪貴公子
第15章 人相書き
──
モンジェラ家の当主
ベノルト・ヘルツォーク・フォン・モンジェラ
──レベッカの夫である彼が城に帰ってきたのはそれから三日後のことだった。
宮廷会議に出席するために城を留守にしていた公爵は、王室顔負けの豪華な馬車に乗って彼女の前に再び姿を見せた。
『 ベノルト様、おかえりなさいませ 』
『 私の留守中、何か変わったことはなかったかい?』
『 …っ…はい 』
レベッカはどきりとした。
城の者たちの中には、彼女についての悪い噂話を広めようとする人がいる。
彼女とクロードの関係を怪しむ声が…
もし、公爵に届いているとしたら…
“ しかも、その噂話はウソじゃない ”
不安に襲われるレベッカは、帰ってきた公爵の顔を見ることができずにいた。
自分の夫である御方を裏切っている。公爵に嫁いだ身でありながら…他の男に心を奪われてしまったのだ。
レベッカは整理のつかない想いを抱えたまま、今、公爵家の朝食の席についていた。