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略奪貴公子
第17章 ほどかれた真実

「──でね、あの兄ちゃんね、ずーっと僕のことを子供扱いなんだよ」

 公爵邸ではカミルの愚痴が続いていた。

「この道具はどうやって使うの?って聞いても
『怪我するから触るな』しか言わないし」

 子供扱いが悔しいカミルはぷんぷんしている。

「ここに火をつけるの?って聞いても
『お前なんかが近づくな』って言うだけだし」

「…アドルフは昔からそんな感じね」

 カミルの愚痴を聞きながら、レベッカは彼と初めて出会った頃の風景を懐かしく思い出していた。



 まだ十二歳だったレベッカと
 十三歳だったアドルフ

『 お前みたいなお嬢様が、こんなところ来るなよ 』

 似たような言葉を、昔、彼女も言われていたのだ。



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