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略奪貴公子
第4章 来客がお見えです
「おはよう御座います!レベッカ様。よくお休みになられましたか?」
「ん……」
メイドの声が彼女を眠りから引き戻す。
朝の挨拶とともに窓のカーテンが勢いよく開け放たれた。
パチリと瞼を上げたら薄暗い中であるにもかかわらず、美しい天蓋(テンガイ)が目に映る。
ああそうか、ここは──
レベッカは身体を起こして垂れ幕を引いた。
「……っ」
同時に朝日が彼女の顔に射す。
「よくお休みになられましたか?」
目を細めたレベッカに、メイドは先程の言葉を繰り返した。
「おはよう、あなたは…」
「エマと申します」
シーツを両手で持ち、名前を言ったそのメイドは、レベッカと同い年ぐらいの女性だった。
今までの付き人は年の離れた大人ばかりだったのでそれが彼女にとっては新鮮だ。
「これからは私が、レベッカ様の身の回りのお世話をさせて頂きます!」
「よろしくお願いします、エマ」
「朝食の準備ができておりますのでお着替えください。旦那様もご一緒されます」
───