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略奪貴公子
第24章 怪盗の宝



 それが本心なのかうわべだけの言葉なのか…誰に聞いたらわかるというの?



「御手をこちらへ」


「……ぅ…ん…」



 でもわたしは疑わない。

 あなたを信じると決めたのだから。

 こんな美しく着飾った言葉を信じられるなんて

 わたしって馬鹿がつくほど幸福者(シアワセモノ)よ──。




 …レベッカが右手を差し出すと、ひざまづいたクロードは、その可憐な手をとり甲にそっと唇を落とした。

 二人の視線が空中で絡まりあえば

 エメラルドとアメジストの色違いの瞳が、互いの想いを汲み取り優しい光をはなつ。




...



 どこからか夜鳴きウグイスの声がした…。

 彼女は野外歌劇場のプリマドンナだ。

 それは花と水に囲まれた楽園。

 きらめく星のふりそそぐ屋上庭園にて──。










 ───







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