この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
略奪貴公子
第24章 怪盗の宝
それが本心なのかうわべだけの言葉なのか…誰に聞いたらわかるというの?
「御手をこちらへ」
「……ぅ…ん…」
でもわたしは疑わない。
あなたを信じると決めたのだから。
こんな美しく着飾った言葉を信じられるなんて
わたしって馬鹿がつくほど幸福者(シアワセモノ)よ──。
…レベッカが右手を差し出すと、ひざまづいたクロードは、その可憐な手をとり甲にそっと唇を落とした。
二人の視線が空中で絡まりあえば
エメラルドとアメジストの色違いの瞳が、互いの想いを汲み取り優しい光をはなつ。
...
どこからか夜鳴きウグイスの声がした…。
彼女は野外歌劇場のプリマドンナだ。
それは花と水に囲まれた楽園。
きらめく星のふりそそぐ屋上庭園にて──。
───