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略奪貴公子
第27章 あとがき
ずばり《 奪う 》というのがテーマのこのお話でした。
もちろんクロードが怪盗なので必然的にそんなテーマになるのですが、同時にレベッカにとってもこのキーワードは大事だったのです。
明るく優しくて…でも、心のどこかに仄かな影をひそませた彼女の心には、自分の人生への小さな絶望がありました。
政略結婚が当たり前の貴族の世界で、育ての親の思惑に従うしかないレベッカは──ただの女になることがとても難しい。
素直になれない彼女にとって、必要なのは優しさではなく、周りの環境すべてを壊してくれるような強引さだったのです。