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略奪貴公子
第27章 あとがき
それにうってつけだったのが怪盗クロード
優雅で自信過剰な伯爵様──。
レベッカに興味を持った彼はあの手この手で彼女をオトしにかかります。
初めは飽きるまでの暇潰し程度だったのかもしれません。けれど時が経つにつれて、彼女に夢中になる自分がいる……。
けれどこれは一時的なものかもしれない。
飽き性の彼は自分の曲がった性格を知っているぶん、レベッカのすべてを奪うことをためらっていたのです。
ミステリアスな彼を貫きたかったのでクロードの心理描写はほとんどありませんから、そんな彼なりの葛藤は……想像するしかありませんね。
そしてもうひとり素直になれない殿方が、レベッカの幼馴染みのアドルフでした。
貴族の娘に恋した平民のアドルフ。
レベッカの生きる世界を壊すまいと、彼は恋心を胸のうちに留めて彼女を見守り続けてきました。
最後は強引に連れ去ろうとした彼ですが、時すでに遅く…。レベッカの心はクロードに奪われたあと。
優しい彼は悪党に負けたのです。