この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
二重生活
第15章 スピカ
促され、星空を見上げる。
南東の空に、凛とした青白い星と、存在感のある赤い星が仲良く並んで輝いていた。

「スピカと火星だよ」

「彗君、天体に詳しいの?」

「ド田舎育ちですから。ばーちゃんと子供のころよくこうして首が痛くなるまで星見てた」

また1つ、彗君のことを知る。

「スピカは、上品なイメージから真珠星って呼ばれてるんだ。
でも、実際は超高温で、放つ光も太陽の何百倍もあるんだって。だから、こんなに離れていても1等星として輝いて見えるんだって。
こーんなに、清純そーな鞠香さんが、ベッドの上ではすごーーーく情熱的な子になるみたいに」

妖艶な微笑みを浮かべながら、鞠香の背中を滑る指先。

「で、今年は火星が地球に近づく年らしくて、あんなふうに並んでんだよね」

「寄り添ってるね。綺麗……。ねぇ、あの少し離れたとこにある明るい星は?」

オレンジ色に光る、眩しい星の瞬き。

「あれは、アークトゥルス……スピカと夫婦星って呼ばれてる」

「夫婦星……」

彗君の腕に力がこもる。

「見て。一等星のスピカ、アークトゥルス、そのうえに少し暗い星があるじゃん。
それを繋いだのが、春の大三角なんだ。
ほんとは、暗めの星が俺なんだろーけど……
あの火星が俺なんなんだって、勝手に思ってる。
火星とスピカがこうして並んでる今は、いいことありそーな気がするんだよね」

もう、いいことあったけど。彗君はそう付け足して微笑んだ。


「うん。……それに、火星は、地球人の希望の星だよ」


寄り添いあって、もう一度空を見上げた。
青い星と赤い星は、やっぱり仲良く並んで夜空で瞬いていた。
/206ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ