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二重生活
第2章 miniature garden
その日、珍しく雄一が早く帰ってきた。
お土産は鞠香が好きなワインと、昔よく行ったフレンチレストランのオードブルやキッシュ。
昼に焼いてあったミニサイズのバゲットに、フォアグラパテを塗ったり、ブルスケッタを作って並べた。
フレッシュトマト&バジルのもの、それからアンチョビやにんにくをオリーブオイルで炒めて生クリームと絡めたものと生ハムに黒胡椒を振って。
そして、雄一のために、冷やしたグラスにビールを注ぐ。
「何かいいことあった?」
雄一が先に口を開いた。
この人は、案外勘がいいのだ。
「沙織から頼まれて、表参道のカフェで働きたいんだけど……いいかな?」
「そうか。近いしいいんじゃない?」
「ありがとう」
こういう、朗らかなところがこの人のいいところだと思う。
ひたすら食べて飲んで、夜が更けた頃
「鞠香……」
雄一が違う声色で鞠香を呼んだ。
「こっちにおいで」
お土産は鞠香が好きなワインと、昔よく行ったフレンチレストランのオードブルやキッシュ。
昼に焼いてあったミニサイズのバゲットに、フォアグラパテを塗ったり、ブルスケッタを作って並べた。
フレッシュトマト&バジルのもの、それからアンチョビやにんにくをオリーブオイルで炒めて生クリームと絡めたものと生ハムに黒胡椒を振って。
そして、雄一のために、冷やしたグラスにビールを注ぐ。
「何かいいことあった?」
雄一が先に口を開いた。
この人は、案外勘がいいのだ。
「沙織から頼まれて、表参道のカフェで働きたいんだけど……いいかな?」
「そうか。近いしいいんじゃない?」
「ありがとう」
こういう、朗らかなところがこの人のいいところだと思う。
ひたすら食べて飲んで、夜が更けた頃
「鞠香……」
雄一が違う声色で鞠香を呼んだ。
「こっちにおいで」