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二重生活
第2章 miniature garden
「私が?」

うすうすこういう流れになると思っていたけど、やっぱり……。

それでも、鞠香はどことなく気持ちが昂るのを感じていた。


自分からは絶対に開かない扉。

この、快適な箱庭から出たことはなかったけど、少し外の世界を感じるのもいいのかな……。
しばし考えていると、



「そういうわけで、明日一緒にオーナーに会ってもらえないかな?」

「明日?」

「そうそう、トゥモロー」

沙織ははじめから、鞠香に任せる気でいたみたいだった。

「もう、いっつも強引なんだから」

思わず吹き出すと、沙織もえへへと笑った。

明日1時に表参道。


まるで、今まで止まっていたかと思うほど強く、胸の音が響いていた。




歩いても行ける距離だから、ひさしぶりに外を歩いてみよう。
カジュアルな格好にぺたんこの靴を履いて、青空の下を歩いてみよう。

明日はきっと晴れると思う。
天気予報も見ていないのに、なぜだかそう確信していた。
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