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二重生活
第17章 in the closet
席へ戻ると、雄一は直人君と談笑していた。
「あっ、鞠香さん戻ってきた! 今、この前お邪魔したときのこと話してたんですよ。俺、飲みなれない高級なお酒で酔い潰れちゃったからもったいないことしたなぁって。彩名こそ、来れなくてもったいなかったですけどね。また遊び行かせてください。ぜひ、雄一さんもいるときに」
屈託ない笑顔で直人君は言った。
「彩名ちゃんって子は来れなかったんだ。それは残念だったね、もちろん、また皆さんでぜひ」
雄一も、おおらかに笑い声をあげる。
鞠香は、何も気にしていないように優雅にグラスを傾け微笑んでいた。
窓の外をゆったりと眺めながら。
どっち付かずだった嫌悪感と罪悪感は、不思議なほど消えていた。
鞠香が、真の悪い女になった瞬間は、この時といえるかもしれない。
「あっ、鞠香さん戻ってきた! 今、この前お邪魔したときのこと話してたんですよ。俺、飲みなれない高級なお酒で酔い潰れちゃったからもったいないことしたなぁって。彩名こそ、来れなくてもったいなかったですけどね。また遊び行かせてください。ぜひ、雄一さんもいるときに」
屈託ない笑顔で直人君は言った。
「彩名ちゃんって子は来れなかったんだ。それは残念だったね、もちろん、また皆さんでぜひ」
雄一も、おおらかに笑い声をあげる。
鞠香は、何も気にしていないように優雅にグラスを傾け微笑んでいた。
窓の外をゆったりと眺めながら。
どっち付かずだった嫌悪感と罪悪感は、不思議なほど消えていた。
鞠香が、真の悪い女になった瞬間は、この時といえるかもしれない。