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二重生活
第19章 春眠
夕方、彗君から連絡が来た。

<鞠香さん、GWって何してる?〕


雄一は…………、ゴルフへ行くといっていたし、とくに予定はなかったはずだ。


〔何もないよ>

<直人が金欠で働きたいらしくて。俺、二連休できるから、会えるなら鞠香さんの休みに合わせようと思って〕

〔会いたい>

<やった。じゃー空けといて〕


嬉しかった。
その場で飛び上がりそうだった。

とても落ち着いて座ってはいられなくて、
お風呂掃除をして、シンクを磨いて、その間に雄一が好きなロールキャベツを煮込んだ。

それから、ソファーに沈みこんで、ローズヒップティーを飲んだ。
ここで、彗君と一緒に飲んだローズヒップティー。


(二日間一緒にいられるってことなのかな……)
(食事? 遊園地? 買い物? 海もいいな……)
(何を着ていこう……彗君はきっとシンプルな感じだから、柄物にしようかしら)
そんな妄想をしては、ポピーをぎゅっと抱き締めた。



(そうだ! ゆっくりお風呂に入って、リンパマッサージもしようっと)
スクラブで肌を優しく磨く。
恋をすると、こんなにも張り合いが出ることに驚いていた。

少しでも綺麗な自分でいたい。
そのためにする一つ一つの努力が楽しくて、ワクワクした。

バスタブに浸かり、衛星放送をつけて甘甘なラブストーリーを観た。
以前は空しくなるから避けていた映画。

だけど、今は、なんて素敵な二人なのだろうと思った。

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