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二重生活
第20章 GW
裸のまま、ベッドルームへ移動し、抱き合ってまどろんだ。
腕枕と、髪を撫でる指先を感じながら。

こんな優しい時間があったんだ……
彗君といるときは、今が一番幸せだと感じる。
その一番が会うたびどんどん更新されていく。

「ご飯までずっとこうしとく? それとも、館内散歩してみる?」

「……んー……どっちもいいなぁ……」

「……欲張り」

彗君は、肩を抱き寄せてギューっとすると、

「あと5分こうしてよっか」

ふっと笑って言った。

限りがあると意識すると、その重みと大切さを慈しむ想いが増す。
一秒一秒意味のある時間を、噛み締めながらすごそうと思った。



「彗君、私、幸せ……」
「どうしたの? 急に」

優しい眼差しに胸をときめかせながら、彗君に重なってキスを落とした。

「言いたいなって思って。一緒にいられる時間を、途切れないように彗君でもっともっといっぱいにしたくて……」

「俺もだよ。会ってるときも会ってないときも、鞠香さんのことばっか考えてる。鞠香さんでいっぱいだよ」

「金太郎飴みたいになってる?」

「ははっ。うん、そんな感じ。切って見せてあげられないのが残念だよ」

「……今ね」

「うん?」

「ギュンってなったよ胸が」

「どれ?」

乳房に顔を埋めて、

「ほんとだ、心臓の音ギュンギュンしてる」

「ね? きゃッ……くすぐったい! あはは……やだ! くすぐったいってば!」

腰を押さえつけられて、乳首を下からついばまれた。

「あー、俺、なんかすげー変態ぽい。鞠香さんといると、ずっと発情期みたい」

「また……おっきくなっちゃったね」

「はい……スイマセン……」

「わたしも……濡れちゃいました……」

「鞠香さんスケベ……」

「彗君のせいだもん………」
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