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二重生活
第4章 初めて
鞠香は、雄一に初めて嘘をついた。
守りたいもののため、大切なもののためにつく嘘ではなかった。
雄一を傷つけたくないからではなかった。
自分がしたいことをするための、身勝手な嘘。
初めて話題に出す、一番遠い友人の名前を言い、
「転勤で遠くにいってしまうから、久しぶりに会うことになったの」
そう言うと、雄一はなんの疑いもなくいっておいでと言ってくれた。
疑われないことで、罪悪感は濃くなると思っていたけど、逆に安心して薄くなった。
自分がとても悪い女になった気がした。
ううん、もうなっているんだきっと……。
明日が待ち遠しくて、念入りに肌のお手入れをしている自分を認めないわけにはいかなかった。
守りたいもののため、大切なもののためにつく嘘ではなかった。
雄一を傷つけたくないからではなかった。
自分がしたいことをするための、身勝手な嘘。
初めて話題に出す、一番遠い友人の名前を言い、
「転勤で遠くにいってしまうから、久しぶりに会うことになったの」
そう言うと、雄一はなんの疑いもなくいっておいでと言ってくれた。
疑われないことで、罪悪感は濃くなると思っていたけど、逆に安心して薄くなった。
自分がとても悪い女になった気がした。
ううん、もうなっているんだきっと……。
明日が待ち遠しくて、念入りに肌のお手入れをしている自分を認めないわけにはいかなかった。